リムショットの種類と使い方|オープンリムショット・クロススティック・スティックショットを使い分けよう
ドラムのリムショットには「オープンリムショット」「クローズドリムショット(Cross-Stick)」「スティックショット」などの奏法があります。それぞれの音の違いと使いどころを初心者向けに解説します。
「リムショットって何?」「サイドスティックとどう違うの?」
ドラムを始めて少し経つと耳にする「リムショット」という言葉。実はこれ、1種類ではなく大きく3種類に分かれます。それぞれ音のキャラクターも使いどころもまったく異なります。
この記事では、3種類のリムショットの違いと使い方を、初心者にもわかりやすく解説します。
リムショット(Rim Shot)とは?
リムショットとは、スネアドラムのリム(外枠・フープ)に関わる奏法の総称です。
通常のスネア奏法ではスティックのチップ(先端)でヘッドの中心付近を叩きますが、リムをどう使うかによって大きく音が変わります。
1. オープンリムショット(Open Rim Shot)
打ち方
スティックのチップ(先端)がヘッドに当たると同時に、スティックのシャフト(棒の部分)がリムに当たるように叩く奏法です。
ヘッドとリムに同時に当てることがポイント。スティックをやや斜めに構え、チップがヘッド中央寄りに当たりながら、シャフトがリムに接触するように振り下ろします。
音の特徴
「バン!」「バシン!」という力強く鋭いクラック音が出ます。
- 通常のスネア奏法と比べて音量が格段に大きい
- アタックが非常に鋭く、存在感のあるサウンド
- ヘッドとリムの共鳴が重なることで音が増幅される
使いどころ
- バックビート(2・4拍)を力強く強調したいロック・ポップスで多用
- フィルインのアクセント
- 大音量バンドでスネアを「抜かせたい」場面
ロックドラマーのバックビートで使われる「あのパシン!という音」の正体がこれです。
2. クローズドリムショット(Cross-Stick / Side Stick)
打ち方
スティックの手元側(グリップエンド寄り)をヘッドに置き、スティックの中間部分でリムを叩く奏法です。スティックの一端がヘッドに接触しているため「ピボット」として機能し、スティック1本で行えます。
「クローズドリムショット」「クロススティック」「サイドスティック」はいずれも同じ奏法を指します。
音の特徴
「カッ」または「コンツ」という、コンガやクラベスに似た乾いた打音が出ます。
- 音量はオープンリムショットより大幅に小さく、コントロールしやすい
- 木質的でパーカッシブな質感
- スナッピー(響き線)は鳴っており、倍音のキャラクターに影響している。スナッピーをオフにするとウッドブロックに近い音になるため、あの独特の「カッ」という音はスナッピーあってこそ
使いどころ
- バラードや静かな場面でのバックビートの代替として
- ラテン音楽(ボサノバ・サンバ)でのパーカッシブなリズムパターン
- ジャズ・アフロキューバン系のグルーブで
- ブラシ奏法と組み合わせて繊細なダイナミクスを作る
3. スティックショット(Stick Shot)
打ち方
左手のスティックをヘッドの上に置いてグリップし、右手のスティックをその左手スティックの上に打ちつける奏法です。ヘッドには直接当てず、左のスティックを介して振動を伝えます。
2本のスティックを使い、左スティックがヘッドとの接点「ブリッジ」として機能するのが特徴です。
映画やドラマの小気味良い効果音的な場面でも使われる特殊奏法です。なお「ティンバル打ち(カスカラ)」はラテン音楽でシェル(胴)の側面を叩く別の奏法であり、スティックショットとは異なります。
音の特徴
「カコン」または「コン」という、やや乾いた締まった音が出ます。
- 音量は中程度で、オープンリムショットより抑えめ
- ヘッドの響きを左スティックがコントロールするため、独特のサウンドになる
- スナッピーの鳴り方は左スティックの置き場所によって変わる
使いどころ
- セッションや即興演奏での効果音的な使い方
- ポップスやR&Bで変化球のアクセントとして
- ショービジネス系のエンターテインメント演奏
3種類を一覧で比較
| 種類 | 打ち方 | 音のキャラクター | 音量 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|---|
| オープンリムショット | チップ+シャフトでヘッド&リムを同時に叩く | 鋭くパワフルなクラック音 | 大 | ロック・バックビート強調 |
| クローズドリムショット(Cross-Stick) | スティック1本、グリップ端をヘッドに置きリムを叩く | 乾いたカン・チン音(ラテン的) | 小 | バラード・ボサノバ・ジャズ |
| スティックショット | 左スティックをヘッドに置き右スティックで打つ | 締まったカコン・コン音 | 中〜小 | セッション・効果音的な場面 |
奏法別:細かいコツとよくある失敗
オープンリムショット:よくある失敗
失敗①:チップだけが当たる(リムが鳴らない) スティックの角度が立ちすぎているのが原因です。スティックをやや寝かせ、シャフト部分がリムに触れる角度を意識しましょう。
失敗②:シャフトだけが当たる(ヘッドが鳴らない) 逆にスティックを寝かせすぎています。チップの先端がしっかりヘッドに当たっているか確認してください。
失敗③:毎回音量・音色がバラつく ストロークの軌道が安定していないサインです。BPM50〜60のゆっくりなテンポで1打ずつ丁寧に素振りし、チップとシャフトが「同時に」当たる感覚を体に染み込ませましょう。
クローズドリムショット(Cross-Stick):細かいコツ
- スティックの置き方(ヘッドへの接触部分の長さ)で音が変わります。接触が少ないほど明るく乾いた音、多いほど抑えた音になります
- リムに当てる部分はスティックの中間部〜やや先端寄りが一般的です
- 音量が出にくい奏法なので、マイクアップやPAありの環境で効果が出やすい
スティックショット:細かいコツ
- 左手のスティックはヘッドの上に「置く」だけで力を入れない。力が入るとスネアワイヤーが反応してしまいます
- 右手が左スティックのどのあたりを打つかで音が変わります。毎回同じポイントを叩けると音が安定します
- 左手のスティックを置く場所(ヘッドのどの位置か)でも音のキャラクターが変わります
スネアのコンディションとリムショット
リムショットの音質は、スネア本体のコンディションにも影響されます。
ヘッドの張り具合
- ヘッドのテンション(張り具合)が低すぎると、オープンリムショットでも「ボフッ」とした締まりのない音になります
- 特にオープンリムショットのクラック感を出したい場合は、ある程度しっかりテンションをかけることが必要です
スナッピーのテンション
- スナッピー(スネアワイヤー)の張り具合もサウンドに直結します
- 張りすぎるとバリバリとした固い音、緩すぎるとフワッとした感触になります
- クローズドリムショットでスナッピーが意図せず鳴ってしまう場合は、スナッピーのテンションを少し強めてみましょう
リム(フープ)の素材
- ダイキャストフープ(亜鉛合金・アルミ合金の鋳造):肉厚で重く、硬くシャープなリムショット音。ピッチ安定性が高くロック向き
- スティールフープ(プレス加工・フランジフープ):適度なしなりがあり、倍音が豊かでオープンな鳴り。ポップスからロックまで最も幅広く使われる標準的なフープ
- ウッドフープ:温かみのある柔らかいリムショット音。ジャズ・ヴィンテージ系に多い
録音・動画チェックで上達を加速
リムショットの精度を上げるのに最も効果的な方法が「自分の演奏を録音・録画して聴き直す」ことです。
耳で確認できるポイント:
- オープンリムショットの音が毎回同じ音量・音色かどうか
- フィルインの最後のショットだけリムショットになっているか
- クローズドリムショットで意図しないスナッピーが鳴っていないか
スマホの動画撮影で十分です。演奏中は気づかなくても、再生すると一発で「バラつき」や「音の差」が分かります。週1回でも自分の演奏を録音するだけで、上達のスピードが体感レベルで変わります。
練習のポイント
オープンリムショットから始める
最初はオープンリムショットを練習しましょう。チップとシャフトが「同時に」当たる感覚をつかむのがコツ。慣れるまでは音が「チップだけ」か「シャフトだけ」になりがちなので、ゆっくり素振りして感触を確かめましょう。
ゆっくりなテンポで音を確認する
リムショットは勢いよく叩くと感覚がつかみにくい場合があります。BPM60程度のゆっくりなテンポで、1打ずつ音を確認しながら練習するのが効果的です。
曲の中で使いどころを意識する
3種類の使い分けは、音の違いを知ることより「この場面でどの音が欲しいか」を耳で判断する感覚の方が大切です。好きな曲を聴きながら「ここはオープン?クローズド?」と意識してみましょう。
まとめ
リムショットは3種類、それぞれ全く異なるキャラクターを持っています。
- オープンリムショット:ロックなバックビートに欠かせない「あのクラック音」
- クローズドリムショット(Cross-Stick):ダイナミクスを落としたい場面での乾いたラテン的打音(両者は同義)
- スティックショット:2本のスティックを使う効果音的な特殊奏法
この3つを使い分けられるようになると、演奏の表現力が一気に広がります。ぜひ練習パッドやスタジオで、それぞれの音の違いを体感してみてください。
DrumNaviでは引き続き、上達に役立つ情報をお届けします!
この記事を書いた人
まさ
ドラムメーカーのマーケティングマネージャー。元V系インディーズバンドのドラマー&ドラム講師。 中小企業診断士として、ビジネスと音楽の両面からドラム・機材情報を発信しています。
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